派遣で働く派遣ビギナーの方に派遣で働く前に絶対確認しておくべき8つの事を紹介します。これまで派遣で働いた中で事前に確認しなかった為に失敗してしまった事が数多くあります。
知らないのと知っているのとではリスク回避の可能性が全然違うのでこれから初めて派遣で働く方もすでに派遣で働いたことがあって残念な職場に当たってしまった方もぜひ参考にしてください。
派遣で働く前に読んでおきたい記事
1. 営業担当者の言動やマナーなどをチェックする
とっても親身になって派遣社員をサポートしてくる人もいれば、派遣先企業に忖度してばかりの人、とにかく契約させてしまうことしか頭にない人など色々だよ。
たぬぽよ
初めて派遣会社に登録して働く人はピンとこないかもしれませんが、派遣会社の求人には求人毎に営業担当者が決まっています。営業担当者は複数の企業を担当しているので、各企業に派遣している複数の派遣社員のサポートをしています。
もしあなたが派遣会社の営業担当者の言動に違和感を感じるようなことがあれば、その営業担当者の案件は辞退するのが無難です。
なぜなら就業中に何か問題があっても、そのような営業担当者は企業側に忖度して私たち派遣スタッフに我慢させようとするので派遣スタッフにしわ寄せがきます。これは派遣スタッフには不利益でしかないのです。
特に初めての派遣の場合、派遣の世界の勝手がわかっていないため、営業担当者に流されて契約してしまいがちですが、冷静に判断して慎重に決める事が不可欠です。
そのため営業担当者の言動をよく観察しましょう。
あなたの質問に対して根拠もなく大丈夫を連呼する営業担当者には注意しましょう。「職場の方はみんな穏やかでいい人ばかりだから大丈夫ですよ」と言われてそうだった試しがありません。
「簡単な作業なので初めてでも大丈夫ですよ」
「そのソフトウェアは使えなくても大丈夫ですよ」
「就業してから覚えれば大丈夫ですよ」
などなど契約させたいがために簡単に大丈夫を連呼しますが、派遣先はあなたが「出来る」と認識していることが、実際にはあなたは「出来ない」となると就業後にあなたが困ることになります。
また営業担当者は複数の企業と派遣社員を担当しているため、非常に忙しいので、たいして職場の人間関係の事を知らずにあいさつ程度しかしたことがない人を良い人と都合よく変換してしまいます。
またこれまでの経験上、残念ながら営業担当者は契約さえ取れたらいいと思っている方が非常に多いです。
ですので求人に関して都合のいい嘘をつくことが多々あります。
実際に嘘をつかれたケース
- 入社してみたら明らかに業務内容が違う
- 業務内容が事前説明と違ってかなり過酷
- 契約時に聞いていたより業務内容が多岐にわたる(色々させられる)
- 先輩の派遣社員が穏やかでいい人という説明が実際は陰湿で攻撃的
- 一年後に時給が上がるはずが実際は上がらない
- 前任の派遣社員が三人連続ですぐに辞めていた
- 引継ぎは一週間のはずが一日しかない
【すべての】とは言いませんが大部分の営業担当者は都合の悪いことは言わず耳触りのいい言葉でとにかく契約しようとしてくる傾向があります。
また、実際の細かい業務内容を把握している営業担当者は多くありませんので派遣先企業との面談時にしっかりと自分で確認することが大事です。
労働条件と実態が異なるケース
東京都産業労働局の「派遣労働に関する実態調査2018 」でも実際に働いてみたら事前の説明や労働契約内容と異なるというデータが出ています。
「業務内容」「時給」「就業時間、休憩時間」「休日労働、時間外労働」など様々な内容で差異が発生しています。
こういったミスマッチを防ぐためにも初めての派遣では派遣会社の営業担当者の説明を鵜呑みにせず、見学・面談の際に派遣先企業の社員・職員に実際の職場についての詳細を聞く必要があります。
ここまで派遣会社の営業担当者について否定的な話しばかりになってしまいましたが、もちろん親身になってサポートしてくださる営業担当者の方もいます。派遣社員として働く場合は営業担当者が唯一の相談できる味方ですのでいい関係を築けるよう心がけましょう。
りな
ゆり先生
2. なぜその求人が出たのかを確認
たぬぽよ
初めて派遣社員として働く場合は給与や待遇などの条件がいい求人に目が行きがちですが、なぜその求人が出されたのかを確認することが大事です。
派遣の求人は通常、業務拡大による人員増や社員さんが産休に入るからなどの理由で求人がだされますが、酷い職場だから前任者が辞めてしまい今回の募集に至ったという可能性が少なからずあります。
もしそうならあなたもすぐに辞めたくなるような環境の職場の可能性があります。
私が経験したのは3ヶ月短期の派遣求人で入社したところ、前任の派遣社員が三人連続で一週間で辞めていたという事実を入社後に派遣先の社員さんから聞きました。
当然派遣会社の営業担当者は知っていて隠していたということになります。
実際その職場は所謂お局さまがパワハラ傾向にあり、たしかにひどい環境だったのでもし事前に聞かされていれば応募しなかったのは間違いありません。
どんなに希望条件にピッタリの求人でも職場環境が悪く続けられなければ意味がありません。
ちなみにこの時の営業担当者の対応は、3ヶ月の契約だから我慢できるでしょう?3ヶ月なんてすぐですよ?という他人事のような対応でした。
このようなことがあるので、初めての派遣では特になぜその求人が出たのかを必ず確認しましょう。
りな
ゆり先生
たぬぽよ
3. 引き継ぎはあるか、引継ぎ期間に余裕はあるか
たぬぽよ
これは急募案件によくありますが前任者が急に辞める事情があるため、満足に引き継ぎされないケースです。
私が経験したのは引き継ぎが一週間と聞いていたのに一日しかなかったことがあります。
業務内容によりますが、前任者が数年間築いてきた仕事を一日の引き継ぎで理解することは難しく、不明なことだらけで実際仕事になりません。
それでも 派遣先の企業の社員からは「あなたが無能だから」と叱責された苦い記憶があります。
いま思えば求人に「急募」と書いてあったような気がします。ですがその時はわりと条件のいい求人だったので応募してしまったのです。
業務内容にもよりますが、引き継ぎは最低でも2週間はほしいところです。
派遣先の企業が引き継ぎの重要性を理解していれば2週間は妥当な期間です。
それよりも短い場合はよく検討し、状況次第では応募を辞退することが懸命です。
りな
引継ぎ期間が短いと自分が大変な思いをすることになるのか
ゆり先生
4. 業務指示は誰が出すのか
たぬぽよ
もし応募する同職にすでに派遣社員が在職していて、派遣先企業がその派遣社員に業務を丸投げしていたりすると、あなたはその派遣社員から業務指示やレクチャーを受けることになる可能性があります。
通常は派遣先の社員から業務指示を受けるものであり、同じ派遣社員から指示を受けることはありえません。
これも私の経験ですが、派遣先企業がその先輩派遣社員に業務を丸投げしている場合、業務の権限を先輩派遣社員が握ってしまうため、先輩派遣社員が何をしても派遣先企業の社員は見て見ぬ振り(日々の仕事さえ回してくれるなら他のことはどうでもいい)ということが発生します。
つまり、その業務のことを理解してこなしているのはその先輩派遣社員だけなので派遣先企業はその先輩派遣社員に辞められては困るので何も言えなくなり、その先輩派遣社員が増長してしまいやりたい放題になってしまいます。
特に専門職などでは部署構成人数が少ないため、特定の人物に業務権限が偏ってしまう傾向があります。ですので実際に働く職場の人数構成、性別、年齢層、社員と派遣社員の割合、業務権限の所在などの細かい情報も確認する必要があります。
かならず業務指示系統が明確になっているかを確認してください。
5. 業務範囲と職場独自ルールを確認
派遣会社に登録して派遣社員として初めて働く場合、派遣登録から就業まであっという間に決まることも多々ありますが、就業してから職場の独自ルールを知ることがあります。
これも派遣会社からの事前説明や契約書にも明記されていることですが実際に入社してみると、事前に聞いていた事以外の業務をあれもこれも頼まれる事があります。
これは業務指示を出す派遣先企業の人間が派遣契約を理解していない可能性がありますので直ちに派遣会社の営業担当者に相談しましょう。
派遣社員は契約書に基づいて決められた業務のみを決められた時給で働きますので、職場の雰囲気に流されずに契約通りの業務範囲での就業をしましょう。
また、例えば職場の清掃や給湯室の清掃などを暗黙のルールで昼休みの時間に持ち回りでやっている職場も存在するのでそういった細かい点も確認しておきましょう。派遣会社の営業担当者はそこまで細かいことは把握していませんので入社してから社員の方に清掃は当番制だと説明されることがあります。
通常は派遣社員が清掃などをすることはありませんが、中小企業や零細企業ではその職場内の独自のルールで発生することがあるので派遣先企業の面談の際に自分で確認する事が大事です。
また古い体質の企業では女性社員・女性派遣社員が清掃やお茶出しを担当するといったケースもあります。派遣契約の業務範囲に入っていれば問題ありませんが、そうでなければ契約違反ということになる可能性があります。
また休憩時間や残業時間などに関しても通常は求人に月何時間と明記されていますが、求人内容が間違っていることもありますし、求人には残業時間を少なめに掲載しているなんてこともありますので、実際の月の残業時間を必ず確認しましょう。
このようにひとつひとつ細かい部分まで事前に確認することでミスマッチなどのリスクを回避することに繋がります。
特に初めて派遣社員として働く場合は、慎重すぎるくらいでちょうどいいと思ってください。
りな
ゆり先生
6. 業務内容の詳細を具体的に確認
派遣社員は営業担当者からの業務内容の説明を受けますが、派遣先企業の見学、面談の際に必ず「業務の内容の詳細を具体的に確認」しましょう。
派遣会社の営業担当者はざっくりとした業務内容は知っていますが、専門的な内容や業務内容の詳細は知らないことが多いです。そのため、入社後に事前に聞いていた業務内容と違うということが起こってしまうことがあります。
これを予防するためにも派遣先企業の担当者に業務の内容の詳細を具体的に確認することが大事です。例えば求人は「プリンタの修理業務」で入社してみると修理件数が少ないからと修理業務はさせてもらえず実際はプリンタの出荷業務をやらされるような事が実際にあります。
これは明らかな契約違反ですので営業担当者または営業担当者の上長に苦情を申し立てよう。
「業務内容」が違うというケースはデータで見ても突出している
東京都産業労働局の「派遣労働に関する実態調査2018 」によると、労働条件の通知内容と実態の差異があると回答した中で一番多かったのが「業務の内容」で66%でした。それだけ事前の労働条件通知と実際の業務内容が異なるというケースが多く発生しているということです。
これは派遣会社の規模に係わらず起こりえる事ですので、自分でしっかり確認することが大事になります。
7. 派遣先の職場見学では現場担当者との顔合わせを希望する
これもよくありますが、派遣先企業と面談する際に管理職の人間のみが面談に立ち会うことが多いです。派遣会社も派遣先の企業も自分が派遣社員として働くわけじゃないので軽く見ているのです。
考えてみてください、あなたが一緒に仕事をするのは現場のことを知らない管理職の人間ではありません。面談で管理職の人間がどんなにいい人であってもその人は現場にいないので意味がないのです。
事前見学・面談の前にかならず派遣会社の営業担当者に現場で一緒に働く人間に会わせてもらえるように派遣先の企業に頼んでもらいましょう。
実際に仕事で関わる現場の人間に会うことでかなりリスクを回避できます。
事前見学・面談では使用するソフトウェアやソフトウェアのバージョン、OSの種類、WINかMacか、作業の流れなどといった細かいことまで確認しておきましょう。
派遣先企業の中には派遣会社や派遣社員をあからさまに下に見ている企業があります。そのような会社は社風として社内の環境も派遣社員にとっていい環境ではない場合があります。
以前面談した派遣先企業では面談当日になって、「求人に出していた勤務地とまったく異なる勤務地になるけど問題ないですよね?」と面談の最中に言われたことがあります。
わたしはその求人は通勤時間が20分だから応募したのに1時間の場所へ勤務しろということでした。もちろん丁重にお断りしましたが派遣先の企業はまったく悪びれることもなければ急遽勤務地が変更になったことへの謝罪もありませんでした。
なお、このような場合でも同席していた派遣会社の営業担当者は企業に対して何も言えません。派遣会社にとっては顧客である企業が一番大切なので仕方ないことです。
派遣社員の代わりはいくらでもいるという考え方が蔓延している企業が少なからずありますので、面談の際には自分が派遣先の企業をチェックするくらいの気持ちで望むくらいがちょうどいいです。
8. 初回の派遣契約更新は1カ月にする
1〜7までをすべて確認しても、実際に入社してみたらやっぱり地雷案件で最悪な職場だったという事も残念ながらあります。
そんな時のために初回の派遣契約更新は1カ月にしましょう。
通常派遣契約は初回契約は2ヶ月、3ヶ月という場合が多いです。
ですが、初回更新は1カ月にしてほしいと派遣会社の営業担当者にお願いしましょう。
これもリスクヘッジの一貫ですがどんなに大手の派遣会社の求人でもどんなに派遣会社の営業担当者がいい人でも、どんなに待遇がいい求人でも実際に入社してみないと本当にいい仕事かいい職場かどうかはわからないのです。
もし運悪く劣悪な環境の職場だった場合、初回更新の1カ月で契約更新しなければ最悪一ヶ月でやめることができます。
これは交通事故みたいなものなので、どれだけ慎重に事を進めても合うときは合います。そんな時でもダメージを最小限に抑えるために初回更新は1カ月にしましょう。
もし派遣会社の営業担当者が一ヶ月契約にしてほしいという希望に難色を示して「派遣先企業から三ヶ月でと言われているから三ヶ月じゃないと困る」、「三ヶ月と決まっている」などと色々理由をつけて一ヶ月更新にしてくれない場合はその求人自体を見合わせたほうがいいかもしれません。
初めての派遣だからといって、誰にも何も遠慮する必要はありません。しっかりと自分の意思と希望を主張することが大事です。
ゆり先生
営業担当者が「3ヶ月で契約してしまっているから辞めれませんよ?」と契約を盾に開き直った場合は営業担当者の上長に苦情を申し立てよう。
よほど小規模な派遣会社じゃない限り最近はコンプライアンスがしっかりしてるから泣き寝入りする必要はまったくないよ。
たぬぽよ
初めての派遣で上記のようなリスクを回避するためにも、大手の派遣会社に登録しておくことをおすすめします。
小さい派遣会社の場合、何か問題があっても苦情をどこに言えばいいのかわからないことや、営業担当者が多忙すぎて捕まらないことなどがあるためリスクがあります。このようなリスクを回避するためにも初めての派遣は大手の派遣会社に登録しておきましょう。